イソバリック標識プレート型プロテオミクス開発検討

今回紹介するのは、同位体等価ラベル(イソバリックラベリング)を用いたプレートベース高スループット(HT)プロテオミクスの開発と評価に向けた実践的指針です。著者らは、ナノリットルディスペンサーやリキッドハンドラーなどの自動化機器とLC–MSを一体化したHTプラットフォーム向けに、評価用スタンダード「HT-sKO」を構築。非ヒト由来の組換えタンパク質をスパイクする設計により、通常のサンプル測定とプラットフォームの性能評価を同時に行え、標的タンパク質量が最大60倍変動する条件でも定量精度の評価と相対的な定量下限の推定が可能になります。

さらに、安定したHTプラットフォーム構築には堅牢なアクイジション戦略が基盤であること、そしてチューブベース法を「インフォーマントアッセイ」として用いることでプレート測定の品質期待値を事前に見積もれることを示しました。HT-sKOを用いた実証では、タンパク質レベルでのプレート内・プレート間ばらつきが約4–6%、ペプチドレベルで約10%に収まり、全プロテオーム、ホスホプロテオーム、反応性システインプロファイリングにも適用可能であることを確認。自動化されたプレートベース・イソバリック定量ワークフローの品質管理とスケール化に向けた、実用的な標準と検証フレームを提供しています。

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