
今回紹介するのは、乳児てんかん性スパズム症候群(IESS)に対する副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)治療の奏効性を左右する分子マーカーを、血漿DIAプロテオミクスで探索した研究です。IESS 60例をACTH有効(EF、n=30)と無効(IEF、n=30)に層別し、年齢・性別をマッチさせた健常対照40例と比較。データ非依存型取得(DIA)で差次的発現タンパク質を同定し、GO/KEGGで機能注釈、ROC解析で予測マーカーを評価し、ELISAで結果を検証しています。
EF群に特異的なタンパク質が114種見いだされ、体液性免疫調節、貪食、補体・凝固カスケード、代謝関連経路の関与が示唆されました。特にC8β、プラスミノーゲン(PLG)、ハプトグロビン(HP)、アルドラーゼA(ALDOA)、コラーゲンXVIII α1(COL18A1)の5種はACTH奏効予測に有望で、各々のAUCが0.8超。ELISAでもEF群でC8βとPLGが高く、HP、ALDOA、COL18A1が低いことが再現され、DIAの傾向と一致しました。本研究は、IESSにおけるACTH反応性の分子基盤の一端を明らかにし、血漿バイオマーカーによる治療効果予測や患者層別化に向けた手がかりを提供します。

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