前立腺がん因果関連血漿タンパク質同定

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出典:論文ページ

今回紹介するのは、前立腺がん(PCa)の因果的な蛋白質バイオマーカーと治療標的を人集団で同定するために、プロテオーム全体を対象にメンデルランダム化(MR)と共定位解析を用いた大規模研究です。著者らはまず、94,397例のPCa患者と192,372人の対照を含む2つの独立GWASのメタ解析から、JAZF1、PDILM5、WDPCP、EEFSEC、TNS3の5つの感受性候補座位を見出しました。続いて、deCODE Genetics(N=35,559、4,907種の血漿蛋白質)とUK Biobank Pharma Proteomics Project(N=54,219、2,940種の血漿蛋白質)のpQTLを遺伝学的インスツルメントとして用い、MRと共定位解析を統合。最終的に3,722種のヒト蛋白質を評価し、PCaリスクと関連する蛋白質を193種特定、さらにKLK3を含む20種は両コホートで再現され高い堅牢性を示しました。

機能アノテーションでは免疫・炎症応答や細胞間相互作用経路が関与することが示され、ドラッガビリティ解析からHSPB1、RRM2B、PSCAなどがPCaの潜在的薬剤標的として挙がりました。既存診断の特異性の限界を補う因果的候補バイオマーカーの提示に加え、早期検出と治療開発に向けた分子標的の絞り込みに資する成果といえます。なお本研究は遺伝統計学と血漿プロテオームの統合に立脚しており、MS機種やLC条件の個別最適化ではなく、独立大規模コホート間の再現性で信頼性を担保している点が特徴です。

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