半月体形成性糸球体腎炎尿中バイオマーカー

今回紹介するのは、急速進行性の腎機能低下を伴う半月体形成性糸球体腎炎(CrGN)の非侵襲バイオマーカーを、尿プロテオミクスで探索した研究です。北京協和病院で2022年5月〜2023年4月に腎生検で確定したCrGN(半月体>50%、I型1例・II型3例・III型11例)と、年齢をそろえた非半月体性腎炎、急性腎障害(AKI)、健常対照を登録し、LC-MS/MSで差次的発現タンパク質を同定、Ingenuity Pathway Analysisとプロテオームマップで経路・鍵分子を解析し、ELISAで検証しています。尿プロテオミクスの有望な枠組みとしてDIAの可能性も言及されています。

計137例(プロテオミクス55例、検証82例、男性42.3%、平均48歳)の解析で、CrGNでは好中球脱顆粒と補体カスケードが上位経路として特異的に強調され、腎炎や健常群では同様の所見はみられませんでした。AKIとの比較ではneddylation経路の活性化が示されました。3群の差次的発現タンパク質を統合すると、CrGNに関連する8分子が抽出され、凝固第V因子(F5)、フォスフォリピド転送タンパク質(PLTP)、アルコール脱水素酵素1C(ADH1C)が有力候補に挙がりました。検証コホートのELISAでは、尿中クレアチニンで補正したF5とPLTPのCrGN予測能のAUCがそれぞれ0.831と0.780(いずれもP<0.001)と良好で、腎生検が困難な状況での補助診断バイオマーカー候補となる可能性が示されています。

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