単一細胞質量分析画像化と顕微鏡の統合

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出典:論文ページ

今回紹介するのは、単一細胞レベルでの空間生物学に向けて、MALDI-MSIと顕微鏡観察を同一試料・同一座標で結びつける新しい手法です。従来は共登録の精度や解像度の不足がボトルネックでしたが、本研究はMALDIイオン化源内での明視野および蛍光顕微鏡観察を組み込み、同一細胞について脂質・代謝プロファイルと形態、さらにはタンパク質発現(蛍光)を同時に扱える(サブ)細胞スケールの解析を可能にしました。LC分離を介さないMALDI-MSIの強みを保ちつつ、顕微鏡像との継ぎ目のない統合で、単一細胞の多層的情報を一枚の空間地図に重ね合わせる設計が特徴です。

応用例として、培養細胞と組織を対象に、貪食過程にあるマクロファージ内の脂質分布を可視化し、また腫瘍浸潤好中球それぞれの微小環境に相関した脂質プロファイルの不均一性を示しています。これにより、形態学的特徴や蛍光指標となるタンパク質発現と、脂質・代謝状態を単一細胞で結び付けて評価でき、細胞生物学における機能的多様性や微小環境依存性を解き明かすための有力なアプローチとなります。

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