大腸癌血清代謝診断指標マルチオミクス検証

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出典:論文ページ

今回紹介するのは、血清メタボロミクスに基づく大腸がん(CRC)の非侵襲的診断バイオマーカーを大規模コホートで探索し、cfDNAメチル化との統合で検証した研究です。715例(CRC 248例、非がん対照467例)の血清を液体クロマトグラフィー–質量分析(LC-MS)で非標的解析し、統計的フィルタリングと多変量解析で差異代謝物を抽出、経路富化解析で生物学的解釈を付与しました。さらに、SVM、Random Forest、XGBoost、ロジスティック回帰で予測モデルを構築し、サブセットではcfDNAメチル化プロファイルも取得して、メタボライトとエピゲノム特徴を統合したマルチオミクス分類器を作成しています。

結果としてCRC関連の血清代謝物26種を同定し、一次胆汁酸生合成やタウリン/ヒポタウリン代謝の破綻が明らかになり、宿主–腸内細菌代謝軸のリプログラミングが示唆されました。10種のメタボライトからなる診断モデルは、複数の機械学習手法でAUROC 0.96–0.97、正確度最大92.5%と高い識別能を示し、cfDNAメチル化マーカーを加えた統合モデルはAUROC 0.98へとわずかに性能向上しましたが、メタボロミクス単独でも十分に高性能でした。血清に基づく最小侵襲での高精度診断に向けて、有望な分子シグネチャと実装可能性の高いモデルを提示した点が本研究の意義です。

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