安定同位体標準を用いた血漿スポットの多オミクス解析

この研究は、乾燥血漿スポット(DBS)を用いた多オミクス分析のための包括的な分析戦略を開発したものである。安定同位体内部標準(SIIS)を事前にスポットすることで定量性を向上させ、最適化されたFolch抽出プロトコルと高解像度質量分析を組み合わせている。特に、HIV患者の空腹時血漿サンプルを用いて、糖尿病と非糖尿病の参加者間で異なる分子プロファイルを明らかにし、数百の代謝物と数千の脂質を同時に分析することに成功した。この方法は、DBSの利点を活かし、サンプル収集の簡素化や保存中の安定性向上、輸送時のバイオハザードリスクの低減を実現している。

この研究は、従来のバイオバンキングが抱える物流上の課題を克服するための重要な進展を示しており、資源が限られた環境においても信頼性の高い多オミクス分析を可能にする基盤を築いている。

  • 乾燥血漿スポットを用いた新しい多オミクス分析法を開発。
  • 安定同位体内部標準を活用し、定量性と抽出効率を向上。
  • 糖尿病と非糖尿病の間での明確な分子プロファイルの違いを発見。

技術メモ

  • MS機種: Thermo Q Exactive Orbitrap
  • 取得モード: 不明
  • 分離: Dionex Ultimate 3000 UHPLC
  • 前処理: Folch抽出プロトコル、SIIS使用

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