
今回紹介するのは、小児結核性髄膜炎(TBM)の髄液プロテオームを網羅的に解析し、他の中枢神経感染症と識別するバイオマーカーパネルを探索した研究です。後方視的に104例の髄液を解析し、TBM 7例、化膿性髄膜炎(PM)28例、ウイルス性髄膜炎(VM)20例、クリプトコッカス髄膜炎(CNM)9例、非中枢神経感染コントロール30例、脳疾患コントロール10例を比較しました。
TBMのプロテオームはPMにより近似しており、TBM髄液では120種のサイトカインおよび受容体が有意に変動していました。経路解析では補体活性化、フィブリン血栓形成、マイクロオートファジーのシグナルが亢進し、コラーゲン分解が抑制されていました。診断的には、TBMとPMの識別にF2とTYMP(AUC=0.874)、TBMとVMにENPP2とWARS1(AUC=0.929)、TBMとクリプトコッカス髄膜炎にF12・APOM・CD163(AUC=0.993)、TBMと非感染コントロールにHLA-BとMGAT1(AUC=0.934)のパネルが有望と示されました。本研究は小児TBMの病態理解に資するプロテオミクス資源を提供し、鑑別診断や治療標的候補の提示に寄与します。なお、質量分析機種やLC条件、Evosepの使用有無は抄録からは不明です。

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