今回紹介するのは、血漿中の細胞外小胞(EV)に含まれるペプチドームを、MALDI-TOF質量分析とLC-MS/MSで可視化し、機械学習と統合して子宮体がん(EC)の迅速なスクリーニングと分子サブタイプ判定を実現する最小侵襲アプローチです。EC患者と対照からEVを分離し、MALDI-TOFの指紋情報にLC-MS/MSペプチドミクス、さらにCA125とHE4、がんリスクに関わる臨床情報を加えて学習させたところ、ECと対照の識別でAUC 0.867を達成。分子サブタイプ(POLE変異、NSMP、MMRd、p53異常)の多クラス分類でもmicro/macro平均AUCは0.91/0.90と高精度でした。
LC-MS/MSでは7,479種類のペプチドを同定し、サブタイプ特異的な指標としてFGA(フィブリノゲンα鎖)、PRSS3、APOA1が浮上しました。MALDI-TOFによる高スループットな指紋解析と、LC-MS/MSの深い同定力を併用することで、侵襲的な組織生検や時間のかかるゲノム解析への依存を下げつつ、EC管理に資する低コストでトランスレーショナルなプラットフォームを提示しています。なお、MS機種名やLCメソッドの詳細は抄録では明記されていません。

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