
最新誌に「Novel proteomics biomarkers of recurrent pregnancy loss reflect the dysregulation of immune interactions at the maternal-fetal interface」が報告されました。この研究は、流産が妊娠の50-70%に影響を及ぼし、臨床的に認識された妊娠の15-20%に関与していることを背景に、特に再発性流産(RPL)の原因と分子経路が十分に理解されていない現状を踏まえています。信頼できる診断および予防方法が未だ確立されていない中、次世代プロテオミクス技術を用いてRPLの新しいバイオマーカーを発見し、早期かつ効果的な診断ツールの開発を目指しました。
研究では、妊娠6〜13週のRPLを持つ女性(n=11)と選択的妊娠中絶を受けた対照群(n=11)から血液サンプルを収集しました。14種類の高濃度タンパク質を免疫除去した後、プラズマサンプルは還元、アルキル化、トリプシン消化され、ナノフロー逆相クロマトグラフィーを用いてペプチドの分離が行われました。その後、Q Exactive質量分析計を使用して質量分析が実施され、差次的に豊富なタンパク質が特定されました。最終的に651種類のタンパク質が同定され、RPLにおいては50種類の差次的に豊富なタンパク質が見つかり、特にCGBとPAPPAの2つのバイオマーカー候補が免疫測定法で検証されました。この研究は、妊娠中の免疫相互作用の調節異常を反映した新たなバイオマーカーの可能性を示唆しており、今後の診断法の発展に寄与する意義があります。
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