涙液プロテオミクスによるバイオマーカー発見

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出典:論文ページ

最新誌に「High throughput tear proteomics with data independent acquisition enables biomarker discovery in allergic conditions」が報告されました。この研究は、健康状態を反映する病理的バイオマーカーの探索において、涙液が有望な生体液であることを示しています。涙液は非侵襲的に採取可能であり、環境要因にさらされるため、アレルギー反応を敏感に反映するタンパク質が濃縮されやすい特性があります。しかし、涙液はこれまで十分に研究されておらず、重要な研究機会を提供しています。

本研究では、健康な個体とアレルギー患者からシュルマー試験を用いて涙サンプルを収集し、データ独立型取得(DIA)戦略を用いた高スループットプロテオミクスを組み合わせた最適化されたワークフローを採用しました。このアプローチにより、2542種類のタンパク質を同定し、2つのグループの成功した区別を実現しました。また、99種類の差次的に発現するタンパク質を特定しました。この結果は、涙液におけるタンパク質分析の実現可能性を示し、健康状態を検出するための非常に感度の高い液体としての涙の重要性を強調しています。データはProteomeXchangeにて、識別子PXD067099で利用可能です。

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