単一細胞プロテオームトランスクリプトーム同時解析

今回紹介するのは、同一の単一細胞からトランスクリプトームとプロテオームを同時に取得できる高スループット・マルチオミクス基盤nanoSPINSです。核となる工夫は、遠心力を用いたナノリットルスケールの「スピン・トランスファー」で、mRNAを含む液滴だけを二つのマイクロアレイ間で確実に移送し、タンパク質は初期プラットフォーム上に保持する点。これにより、RNAはRNA-seqで、タンパク質は同一細胞由来の画分を用いた等張性ラベル(TMTpro)LC–MSプロテオミクスで解析可能となり、同一細胞での統合解析を実現しています。

二つの細胞株でのベンチマークでは、得られた網羅的プロテオーム/トランスクリプトームのプロファイルが既存手法と良好に整合し、TMTproによる多重化が単一細胞プロテオミクスのスループットを大幅に押し上げました。これにより、mRNAとタンパク質の両層で分子特徴を同定できるだけでなく、サンプル数の拡大によってクラスタリングや差次的発現・存在量解析の統計的検出力が向上。多様な細胞集団の特性解明に資する、実用性の高い単一細胞マルチオミクス・プラットフォームとしての有用性が示されています。

▶ 論文リンク(外部)

Tags:

Comments

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です