今回紹介するのは、ウサギ腹部大動脈のアテローム性病変を対象に、TMTラベル化定量プロテオミクスとLC-MSによる非標的メタボロミクスを統合した解析でプラークの分子像を描き出した研究です。モデル群とシャム群にランダム化した後、腹部大動脈を回収しproteinase Kで処理、取得データを一変量・多変量統計で評価し、差次的タンパク質と代謝物の相関をPearson相関で解析、関与経路はKEGG富化で推定しています。
結果としてモデル群では進行したプラークが形成され、損傷大動脈では207種のタンパク質が有意に変動(上昇133、低下74、fold change>1.2、P<0.05)。代謝物は陽イオンモードで234、陰イオンモードで187が有意に変化し、脂質ではPC(9:0)やLPC(20:2)の増加が目立ちました。KEGG解析からはプリン代謝や血管平滑筋収縮などの経路が示唆され、タンパク質・代謝物の連関が病変の機能的背景と結び付けられています。これらの所見は、統合オミクス(TMT定量プロテオミクス+LC-MSメタボロミクス)がアテローム硬化の分子特性解明に有用であり、同定分子がプラーク診断のバイオマーカー候補となり得ることを裏付けます。

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