今回紹介するのは、副腎皮質腫瘍の分子機序解明を狙った比較プロテオミクス研究です。正常副腎(NHA)、副腎皮質腺腫(ACA)、副腎皮質癌(ACC)、そしてARMC5変異の有無で層別した原発性大結節性副腎皮質過形成(PMAH)を対象に、LC-MS/MSとバイオインフォマティクスでプロテオームを横断比較しました。合計7,350タンパク質を同定し、3,976を全サンプルで定量。差次的発現タンパク質(DEP)は、ACA対NHAで27、ACC対NHAで49、PMAH対NHAで81を検出し、ACC対ACAでは上方64・下方48のDEPを同定しました。PMAHではARMC5変異あり(PMAHw)対なし(PMAHwt)の差は最も小さく、上方12・下方4にとどまりました。
さらに、ソウル大学病院の独立ACCコホートで検証し、全体類似度99.8%で有意な乖離は認められず、再現性の高いプロファイリングであることを示しました。正常副腎機能と腫瘍関連変化の両面に示唆を与える高品質データセットであり、疾患特異的なタンパク質シグネチャーに基づくバイオマーカー候補や治療標的の探索に資する基盤となることが期待されます。

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