単純ヘルペス感染歯周組織の炎症性サイトカイン変動

今回紹介するのは、ヘルペスウイルス感染が歯周組織に誘導する炎症応答を、プロテオミクスで時系列に追ったin vitro研究です。健常ドナー由来のヒト歯肉線維芽細胞(HGF)をHSV-1で感染させ、12~72時間の早期・後期ステージで回収した試料をDIAベースのLC–MS/MSで解析し、計890種の差次的発現タンパク質を同定しました。

早期には、IRF7、ISG15、IL6、TLR2、各種インターフェロン誘導性タンパクの上昇と、MMP2の低下が顕著で、補体系・凝固カスケード、リソソーム、NOD様受容体、RIG-I様受容体、TLRシグナルなどが活性化。一方、後期ではインターフェロン誘導性タンパク群やIL1、MMP3が上昇し、補体関連タンパクは低下しました。とくにTLR2は、歯周環境におけるHSV-1に対する宿主の抗ウイルス防御反応を示す候補バイオマーカーとして浮上しており、今回のプロテオミクス解析は、歯周組織でのHSV-1感染に対する宿主応答の枠組みを提示するものです。なお、MS機種名やLCメソッドの詳細、Evosep使用に関する記載はありません。

▶ 論文リンク(外部)

Tags:

Comments

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です