今回紹介するのは、乳酸菌 Lactobacillus rhamnosus が放出する細胞外小胞(EV)と、細胞由来小胞(CDV)を並行して比較し、その形態・プロテオーム・機能を総合評価した研究です。ナノ粒子追跡解析と透過型電子顕微鏡で両者はいずれも球状であることが示され、ウエスタンブロッティングではHSP70がEVに特異的に検出されました。LC-MS/MSによるプロテオミクス解析では計1,342タンパク質を同定し、CDVに特有のものが114種見いだされました。発現差解析ではEVで70種が上昇、81種が低下し、GO解析からEVはシグナル伝達・環境適応・膜輸送関連に富み、CDVはリボソームや核酸代謝関連が優位という、由来の異なる小胞間での明確な濃縮パターンが示されています。
機能面では、EVがCDVよりも抗酸化・抗炎症活性のいずれでも有意に高いことが実証され、プロテオームの違いが生理活性に結びつく可能性が示唆されました。L. rhamnosus 由来EVの特異的なタンパク質シグネチャーと優れた生理活性は、プロバイオティクスを基盤とする応用、特に皮膚の健康を標的とした戦略の候補としての位置づけを後押しする結果です。今回のプロテオミクスはLC-MS/MSで実施されていますが、特定のMS機種名やLCメソッド、Evosepの使用についての記載はありません。

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