
今回紹介するのは、血清・血漿プロテオミクスの機種間移行性と再現性を底上げするために設計されたオープンな内部標準「Charité Open Peptide Standard for Plasma Proteomics(OSPP)」です。OSPPは、広範な血清・血漿データに基づき選抜した211本の同位体標識ペプチドからなり、濃度を揃えて調製され、ターゲット型/アンターゲット型のいずれのMSワークフローにも利用可能とされています。著者らは、血清に加えてEDTA、クエン酸、ヘパリン採血の血漿でも、複数のLC–MSプラットフォームを跨いで一貫した定量が得られることを示し、技術的な堅牢性とプラットフォーム間の整合性を実証しました。
技術的基準で選ばれたにもかかわらず、これらのペプチドは多様な生物学的機能をもつタンパク質を代表し、日常の臨床検査項目やFDA承認薬の標的も含むため、拡張可能な臨床マーカーパネルとしても位置づけられます。COVID-19入院コホートへの適用では、分析性能の向上、プラットフォーム間でのデータアライメント、疾患層別化やバイオマーカー探索に資することが示されました。OSPPは、血漿・血清プロテオミクスの精度と再現性を高めつつ、機種横断での比較可能性を確保するための実用的な基盤を提供します。

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