今回紹介するのは、急性痛風性関節炎(AGA)から慢性痛風性関節炎(CGA)への移行期に焦点を当て、血清の高深度データ非依存型取得(DIA)プロテオミクスと非標的メタボロミクスを統合した多層オミクス研究です。健常者(n=28)、AGA(n=31)、CGA(n=14)を対象に差次的発現解析を行い、尿酸排泄の制御因子ZBTB20や炎症・免疫関連のGUCY1A2、CNDP1、LYZ、SERPINA5、GSNを含む、持続的に破綻する中核タンパク質9種を同定しました。さらに、診断的価値をもつ一貫した変動を示すコア代謝物11種を見出し、性ホルモンや甲状腺ホルモン、腸内細菌由来代謝物に加え、環境曝露や栄養要因の攪乱が示唆されました。
多オミクスのKEGG濃縮解析では、甲状腺ホルモン合成、AMPKシグナル、タウリン/ホスホタウリン代謝が中心経路として浮上し、相関ネットワーク解析からはAGAの急性免疫活性化がCGAの慢性炎症へと推移する免疫不均衡が明確化されました。これらの結果は、甲状腺ホルモン–AMPK–タウリン代謝軸の協調的な破綻と免疫微小環境のリモデリングがCGAの進展に関連することを示し、早期診断指標や標的型介入の有望な分子標的を提示します。

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