椎間板変性MRS脂質信号腰痛指標

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今回紹介するのは、椎間板変性における患者申告症状と臨床MRS(磁気共鳴スペクトロスコピー)所見を結びつけ、さらにその病態機序をマルチオミクスで追究した研究です。MRSのスペクトルで脂質ピークが優位な群(pLP)と非pLP群に患者を層別化し、術前の痛み・機能障害スコアを比較。並行して、摘出した髄核細胞に対してリピドミクス、プロテオミクス、および機能実験を実施し、症状、IL-17陽性細胞、脂質量の関係を相関解析(Pearson)と重回帰で評価しています。

結果として、pLP群は非pLP群に比べて術前VAS-腰背部痛(6.5 vs 4.7)とODI(63.3% vs 51.2%)が有意に高く、マルチオミクス解析から髄核細胞での脂質滴蓄積とIL-17炎症経路の活性化が特徴づけられました。VASとODIはIL-17発現(r=0.555/0.566、いずれもp<0.001)および相対的脂質量(r=0.567/0.561、いずれもp<0.001)と正に相関し、重回帰ではIL-17陽性細胞率と相対的トリグリセリド量が腰背部痛に独立に関連(p=0.021、p=0.046)しました。これらは、MRSの脂質ピークが症状重症度と結びつく潜在的バイオマーカーとなり得ること、そして脂質滴—IL-17炎症軸が慢性腰痛の形成・増悪に寄与することを示唆します。

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