今回紹介するのは、単一細胞プロテオミクスのための改良型ワンポット前処理法「iSOP(improved Surfactant-assisted One-Pot)」です。従来のSCPはサブμL〜1 μLの極小体積での処理を要し、専用デバイスや384ウェルでの頻繁な加水が必要になるなど、アクセス性と頑健性が課題でした。iSOPは既報のSOP法を基盤に、PCRチューブや96ウェルを低容量対応の384ウェルプレートへ置き換え、厳密なシールで乾燥ロスを抑制。系統的最適化により、処理体積は3 μL、酵素はトリプシン2 ngとLys-C 2 ngの混合を採用しています。
一般的に入手可能なLC-MSプラットフォームで、iSOP-MSは単一のHeLaやMCF7から約1,200〜1,800のタンパク質群を検出・定量。さらに神経芽細胞腫由来のBE2-Cでは平均約1,700、SK-N-SHでは約2,050を同定し、細胞型間および同一細胞型内の不均一性を精密に描出しました。特殊な超微小液量装置を用いずに384ウェルで低μL処理を頑健に実施できる点が特徴で、日常的かつコスト効率の高い定量SCPを実現する、利便性と再現性に優れた手法といえます。

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