今回紹介するのは、PRM(parallel reaction monitoring)に特化してグリコペプチドの同定と定量を自動化するPythonベースの解析基盤「GlypPRM」です。糖鎖修飾は多様性と構造複雑性が高く、従来ソフトではグリコペプチド特有のフラグメンテーションや糖鎖モデル化、スペクトル解釈が十分に扱えず、PRMのデータ解析は手作業に頼りがちでした。PRMはターゲット前駆体に対するフルMS/MS取得によりS/Nと構造確信度を高められる一方、その利点を活かすためには糖鎖・ペプチド双方に配慮した解析ロジックが不可欠でした。
GlypPRMは組成ベースの糖鎖構造モデル化により理論フラグメントを生成し、スペクトルマッチング、クロマトグラフィー統合、定量までを一体化してN-型・O-型グリコペプチドのPRMデータを自動解析します。ウシフェツイン由来グリコペプチドとヒト血清サンプルで検証され、高い構造精度、再現性、解釈性を示しました。加えて、可視化、柔軟な入力、イオンフィルタリング、出版向け出力にも対応。スケーラブルで糖鎖・ペプチド認識型のこのプラットフォームは、PRMベースの高信頼グリコプロテオミクスを下支えし、バイオマーカー探索や疾患研究の加速に資する基盤を提供します。

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